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　米アップル(Apple)は20日、アップル製品専門店「Fスタジオ・バイFPT(F.Studio by FPT)」に対し、中国系動画投稿プラットフォーム「ティックトック(TikTok)」の通販機能「ティックトックショップ(TikTok Shop)」によるアップル製品の販売を許可した。Fスタジオ・バイFPTが同日に明らかにした。

　Fスタジオ・バイFPTは、IT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)傘下のFPTリテール[FRT](FPT Retail)が運営するもので、2012年よりアップルの正規販売代理店となっている。

　「Fスタジオ・バイFPT」は、ティックトックショップでアップル製品を購入した顧客に最大190万VND(約1万1700円)相当の8％割引クーポンをプレゼントするキャンペーンを実施している。

　1～5月期におけるティックトックショップでのアップル製品(iPhone、MacBook、iPad、AirPods、Apple Watchなど)の売上高は前年同期比10.6倍の2030億VND(約12億5000万円)に急増した。

　電子商取引(eコマース＝EC)データ分析プラットフォーム「ユーネットECI(YouNet ECI)」によると、FRT傘下のFPTショップ(FPT Shop)とFスタジオ・バイFPTが5月にティックトックショップで販売したiPhoneの台数は1922台で、売上高は前月比3.4倍となった。

　しかし、アップルはこれに先立ち、ベトナムの販売代理店に対し、ティックトックショップでのアップル製品の販売を停止するよう求めた。

　ティックトックショップでアップル製品を販売していた主な代理店としては、◇ベトテルストア(Viettel Store)、◇FPTショップとFスタジオ・バイFPT、◇ホアンハー・モバイル(Hoang Ha Mobile)などが挙げられ、このうち、FRTはシェアの約半分を占めている。

　なお、アップルがティックトックショップを通じた製品販売の停止を求めたのは、ライブコマース中に「大幅な値下げ」や「補助金供与」が行われていることで、オフライン販売にマイナスの影響を及ぼす恐れがあるためと考えられる。このほか、おむつや衣類、模造品など雑多な商品と一緒に販売されることで、高級感があるアップル製品のブランドイメージが損なわれることも懸念しているようだ。