商工省は1日、マレーシアのトーヨー・インキ(Toyo Ink)傘下の第2ソンハウ電力に公文書を送付し、南部メコンデルタ地方ハウザン省の第2ソンハウ火力発電所案件のBOT(建設・運営・譲渡)契約の終了を通知した。
商工省はBOT契約終了の理由として、投資主である第2ソンハウ電力が規定の期間内にファイナンスアレンジメントに関連するBOT契約の重要な条項を遵守しなかったことを挙げている。
トーヨー・インキは2013年、商工省傘下のエネルギー局との間で同発電所の開発に関する覚書(MOU)を締結した。着工式は2015年に行われ、当初の計画では第1タービンが2021年に、第2タービンが2022年に商業運転を開始する予定だったが、進捗が大幅に遅れていた。
これに先立ち、トーヨー・インキと第2ソンハウ電力は6月7日、マレーシア輸出入銀行(Export-Import Bank of Malaysia)との間で、同案件のEPC(設計・調達・建設)向けに9億8000万USD(約1580億円)の融資契約を締結した。
商工省は今年4月、第2ソンハウ電力に公文書を送付し、案件の実施を促すとともに、進展がなければ同案件を回収する方針を示したことから、この融資契約の締結は大きな前進と見られていたが、現時点での問題解決には不十分だったようだ。
なお、同案件はBOT方式で展開され、出力は2120MW。マレーシアのサンウェイ建設(Sunway Construction)と第2電力建設コンサルティング[TV2](PECC 2)の共同企業体がEPCゼネコンを務め、マレーシア輸出入銀行が主幹事として同案件のファイナンスアレンジメントを担当していた。
BOT契約終了の情報を受け、3日のTV2株終値は1株4万6700VND(約296円) で引け、6月10日につけたピークから▲12%下落した。