ハノイ市で建設中の同市都市鉄道(メトロ)3号線(ニョン~ハノイ駅区間)の地下区間のトンネル掘削工事が30日午前に始まり、トンネル掘削機(Tunnel boring machines=TBM)がキムマー駅(S9)で稼動を開始した。
同工事では、世界最大のTBMメーカーであるドイツのヘレンクネヒト(Herrenknecht)製の全長100m以上、重さ約850tの巨大なTBMを2台稼働する。1日当たり約10mを掘削し、工期は16か月の見込み。
今回、地盤処理・地下工事に強みを持つ地場フェコン[FCN](Fecon Corporation)が、イタリアの専門家と協力してTBMを運転する。
FCNは、ホーチミン市メトロ1号線(ベンタイン~スオイティエン間)地下区間のトンネル掘削工事で、日本人専門家の指導のもとTBMを運転した実績を持つ。
ハノイ市メトロ3号線の同工事は、韓国の現代建設(ヒョンデE&C=Hyundai E&C)とイタリアのゲラ(Ghella)の共同企業体が請け負っているパッケージCP03(トンネルと地下駅)の一部。同パッケージの完成率は 43.4%で、このうち地下駅部分は49.4%、トンネル部分は39.4%となっている。
メトロ3号線は全長12.5kmで、このうち8.5kmが高架区間(ニョン~カウザイ)、残りの4kmが地下区間(カウザイ~ハノイ駅)。高架駅3か所、地下駅4か所を設置し、バックトゥーリエム区、ナムトゥーリエム区、カウザイ区、バーディン区、ドンダー区、ホアンキエム区を通過する。
なお、高架区間は2024年、地下区間は2027年に完成する見通しだ。