タイの小売最大手セントラル・グループ(Central Group)の小売子会社であるセントラル・リテール・コーポレーション(Central Retail Corporation)が発表した2024年財務諸表によると、同年のベトナム事業による売上高は前年比▲0.5%減の493億THB(約2060億円)となった。これは、タイ国内の売上高に次いで2番目の規模となり、イタリア事業の売上高を大幅に上回った。
部門別では、ベトナム市場の主力部門である食品部門による売上高が同+2.8%増の428億THB(約1780億円)となった。一方、ファッション部門は同▲33%減の8700万THB(約3億6000万円)、家庭用品部門とテクノロジー部門は同▲18%減の62億THB(約260億円)に落ち込んだ。
ベトナム市場は依然として同社の第2の重要市場ではあるものの、他の市場と比較すると伸び悩んでいる。タイ国内とイタリア市場では、売上高がそれぞれ+7.3%、+4.3%増加した。
ベトナム事業の売上減少の原因として、競争の激化、購買力の低下、為替レートの変動、店舗の改装が挙げられる。これに対して、ベトナム国内の競争相手であるテーゾイジードン投資[MWG](Mobile World Investment Corporation)の食品販売チェーン「バックホアサイン(Bach hoa XANH、グリーン百貨)」は、2024年の売上高が前年比+30.5%増の41兆1080億VND(約2300億円)、マサングループ[MSN](Masan Group)傘下のウィンコマース(Wincommerce=WCM)は同+9.7%増の32兆9610億VND(約1840億円)となり、順調に売上を伸ばした。
2024年末時点で、セントラル・リテールはベトナム国内でスーパーマーケット「ゴー!(GO!)」42店舗を運営しており、2025年内には北部紅河デルタ地方フンイエン省と西北部地方イエンバイ省に新たに2店舗をオープンする予定だ。
さらに、同社は「トップス・マーケット(Tops Market)」、「ミニ・ゴー!(mini go!)」、「ランチーマート(Lan Chi Mart)」などのブランドを展開し、40省・市で340店舗を運営している。