ベトナムの鉄鋼産業は2010年代から飛躍的な成長を遂げ、鉄鋼の生産と消費において東南アジア諸国連合(ASEAN)で屈指の国となっている。2023年における同国の粗鋼生産量は2000万tで、世界12位につけた。
これは、13日から16日にかけて南中部沿岸地方ダナン市で開催された「2024年東南アジア鉄鋼会議・展示会(2024 SEAISI Conference & Exhibition)」で発表されたもの。
2010年代以前、ベトナムの鉄鋼産業は小規模かつ後進的で、技術力も生産能力も限定的だった。しかし、その後は、ホアファットグループ[HPG](Hoa Phat Group)やホアセングループ[HSG](Hoa Sen Group)などの民間企業が野心的に事業拡張を進め、台湾プラスチックグループ(フォルモサ・プラスチック・グループ=Formosa Plastics Group)傘下のフォルモサ・ハティン・スチール(Formosa Ha Tinh Steel Corporation=FHS)をはじめとする外資系企業も大規模なプロジェクトを実施したことで、ベトナムは今や域内トップクラスの近代的な大規模鉄鋼生産コンプレックスを複数形成している。
2020年におけるベトナムの粗鋼生産量は1990万tで、世界14位となり、鉄鋼完成品の消費量は2330万tで、東南アジア地域でトップに立った。2023年の粗鋼生産量は2000万tで、世界12位にランクアップ。生産能力の向上だけでなく、線材や熱間圧延鋼、PC鋼材といった高品質の製品の生産も可能となっている。