急成長中の新興不動産会社FLCグループ[FLC](FLC Group)が2020年末に、フオンドン銀行[OCB](Orient Commercial Bank)への債務相殺を目的に、ハノイ市カウザイ区カウザイ通り265番地にある本社ビルの所有権を同行に譲渡していたことがわかった。
これは、FLCがこのほど国家証券委員会(SSC)の指導のもと、追加開示した51本の取締役会決議で発覚したもの。
同ビルは地下4階・地上38階建てで、延べ床面積は10万m2超。投資総額は5兆2000億VND(約295億円)で、2019年中ごろにオープンした。FLCは譲渡後、入居のためにビルの一部をOCBから借り受けている。
OCBのグエン・ディン・トゥン頭取によると、FLCとグループ会社が同行に対して抱えている債務額は2兆8000億VND(約160億円)となっている。
同行は2022年定時株主総会で、FLCへの融資1兆5000億VND(約85億円)について、債権回収の交渉中であることを明らかにした。なお、FLC創業者のチン・バン・クエット前会長は先ごろ、株価操作容疑で逮捕されている。