FLCグループ[FLC](FLC Group)と、FLCファロス建設[ROS](FLC Faros)など系列企業における株価操作・架空増資に関する詐欺事件で、最高人民検察院は起訴状を発表した。
同事件では合わせて50人の容疑者が起訴され、近く裁判にかけられる。中でも、主犯格のFLC元会長チン・バン・クエット容疑者は、詐欺・資産横領容疑と株価操作容疑で出廷する。
同事件では、クエット元会長の指導のもと、ROSが15億VND(約909万円)から4兆3000億VND(約260億円)への架空増資を実施。ROSがホーチミン証券取引所(HSX)への上場を果たした後、クエット元会長らが3万0403人の投資家にROS株を売りさばき、3兆6210億VND(約220億円)を騙し取った。
容疑者には、国家証券委員会(SSC)傘下の公開会社監督局とSSC傘下ベトナム証券保管センター(VSD)の幹部3人、HSXの幹部4人の計7人が含まれる。
株式市場の監視役を務めるSSCとHSXの幹部らは、ROSの架空増資と違法上場を認識していたにもかかわらず、見て見ぬふりをし、証券活動における虚偽情報の提供または情報隠蔽、公務執行上の職権乱用の容疑で起訴されることとなった。これには、HSXのチャン・ダック・シン元会長とレ・ハイ・チャー元社長が含まれている。
なお、株価操作の行為に関してクエット元会長らは、複数の法人・個人名義の証券取引口座合わせて500件を介し、◇FLC、◇FLCストーン鉱産投資[AMD](FLC Stone Minning And Investment)、◇BOS証券[ART](BOS Securities)、◇FLC採鉱投資・資産管理[GAB](FLC Mining Investment & Asset Management)、◇HAI農薬[HAI](HAI Agrochem)の5銘柄の株価操作を実施し、7230億VND(約44億円)の不正利益を得ていたとされる。